子育て

【子供の褒め方】ポール・タフ著「私たちは子どもに何ができるのか」から分かること

引き続き、子供の「褒め方」についての記事になります。今回は、ポール・タフ著「私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む」から「褒め方」の観点で読んでみました。

これまでの子供の「褒め方」の記事(2件)も参考にしてください。

・「学力の経済学」における「褒め方」のポイント

・「モンテッソーリ」における「褒め方」のポイント

私ひろほーくは、仕事では人事部で教育を担当し、家庭では父として育児に奮闘中の公私共に教育者です。
仕事とプライベート共通の課題が「教育」「育児」なので、これらに関わる問題の解決策や悩みの改善につながる情報を収集しながら、経験を重ねています。
プライベートでは2020年4月の半ばに第二子が誕生して、2児の父となりました。まだ子供は2歳と0歳のですが、早いうちに教育スタイルを確立を目指しているところです。

この記事では、子供の「褒め方」のポイントについて、書籍から得たヒントを元に記事にしています。
「褒め方」って人それぞれあってもいいと思いますが、一貫性がなくなってしまうと子供からすれば悪い影響を与えかねないですよね。以下のような疑問を持った方も、自分の「褒め方」を見つける参考になれば幸いです。・どのような「褒め方」が効果的か
・どんな「褒め方」が褒められた者の成長につながるのか

・良い「褒め方」と悪い「褒め方」の違いは何か

今回参考にした書籍はポール・タフ著「私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む」です。
この書籍から「褒め方」という点で分かったこと、それは外発的動機付けに頼らずに、内発的動機付けをして「非認知能力」を育むような「褒め方」が大事ということでした。

1.参考文献:「私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む」

今回は以下の書籍を参考にいたしました。

・著書:私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む
・著者:ポール・タフ

近年、世界の教育者から「非認知能力の育成」に大きな注目が集まっています。

「やり抜く力」「好奇心」「自制心」……人生の成功を左右する力の育み方を、最新の科学的根拠(ルビ:エビデンス)と先進事例から解き明かす!

一方で、非認知能力の重要性は理解されたものの「どうすれば非認知能力を伸ばせるのか」という具体的な方法論は課題として残されていました。
本書は、まさにその疑問に答えようとすべく、2年にわたって新しい研究や事例を取材して結実した意欲作です。
・幼少期の親子関係のストレスをどうすれば和らげることができるのか?
・問題行動のある子どもがいるクラスの成績を上げるにはどうすればいいのか?
・自信のない生徒のモチベーションを高めるには、どんなフィードバックが有効なのか?
幼少時代から思春期まで、「子どもにとって本当に大切なこと」が詰まっています。

2.「非認知能力」とは

認知能力

IQや読み書き能力のことです。

非認知能力

やり抜く力・好奇心・自制心のことです。

非認知能力の重要性

貧困や虐待など逆境にある子どものなかでも、「認知能力」ではなく、「非認知能力」がある子どもの方が将来挫折することなく成功する可能性の高いことが発見され、大きな話題となりました。

3.子供の褒め方:外発的動機付けではなく、内発的動機付け

「非認知能力」を高めてあげることが大事

育児や子供の教育の目的が、将来問題を起こすことない清く正しい大人にすることだとすれば、この「非認知能力」を高めてあげることが大事になります。そして、この「非認知能力」がモチベーションと強く結びついています。
「褒める」といった行為はモチベーションを上げる一つの手段であり、「非認知能力」と密接に関わりがあります。

報酬は動機付けには効果がない

この本で紹介されている研究事例によると、報酬を与えてしまうとそれが目的となってしまい、それまでワクワクする作業が仕事に変わってしまいます。そうなると報酬というインセンティブがなくなったときに、よりネガティブに働いてしまうようです。

つまり、物質的なインセンティブは動機付けには効果がなく、多くの場合に逆効果でした。

環境による動機付けは効果が持続

「自律性」「有態性」「関係性」の3つが満たされると、人は内発的動機付けを持続します。

この3つの要素を生む環境が大事になります。

 

自律性

自分の意志でやっていると最大限に実感させ、管理や強制されていると感じないとき生じる

有態性

やり遂げることはできるが、簡単でないタスク、ほんの少し今の能力を超える課題を与えられたとき生じる

関係性

教師に好感を持たれ、価値を認められ、尊重されていると感じるとき生じる

4.褒め方のポイント

非認知能力を育む「褒め方」

「褒め方」に関わる点で得たことは以下2点。

・物質的な報酬を与えることで行動を起こさせない
・環境が大事であり、子供の意思を尊重し、愛しているということを実感させる

本書籍は「非認知能力」について非常に示唆の富んだ内容となっています。
「褒め方」については濃い内容のうちほんの一部なので、それよりも「非認知能力」を知るためにぜひ一読して欲しいです。

「非認知能力」を知るには、まず同著者の「成功する子 失敗する子――何が「その後の人生」を決めるのか」を読むと、研究結果に基づいた示唆があるのでより理解できます。
本著書「私たちは子どもに何ができるのか」は、その後に執筆されたもので、「非認知能力」を育む効果的な方法が示されています。

      

以上、「私たちは子どもに何ができるのか」を参考に、「褒め方」についてまとめてみました。

「褒め方」については他にもご紹介しています。
あわせてご参考になれば幸いです。

第一回:子供の褒め方について、まとめてみた!「学力の経済学」より

第二回:子供の褒め方について、モンテッソーリ・メソッドに学んでみた

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